自動車部品大手の独コンチネンタルは19日、同国北部のギフホルンにある工場を電機製造の独スティーベルエルトロンに譲渡することで基本合意したと発表した。コンチネンタルは同工場の閉鎖方針を7日に明らかにしたばかり。売却交渉を速やかに開始し、従業員の新たな勤務先を確保する意向だ。
ギフホルン工場はコスト競争力の低いことから、コンチネンタルは生産事業の段階的な移管・アウトソーシングを通し、2027年末までに操業を停止する。派遣社員を含め従業員450人が影響を受ける。
スティーベルエレクトロンは同工場を引き継ぎ、ヒートポンプ暖房用のステンレス製シリンダーを生産する。同社のカイ・シーフェルバイン社長は、「環境に優しいヒートポンプ暖房の需要を原動力とするわが社の力強い成長を背景に、生産能力を大幅に拡大する」と語った。ギフホルン工場の従業員をどの程度、継続雇用するかは明らかにされていない。今後の交渉で決めるとみられる。コンチネンタルは従業員がスティーベルエレクトロンで勤務するための技能を獲得できるよう、自社のリスキリング機関「コンチネンタル技術・トランスフォーメーション研究所(CITT)」で研修の機会を提供する意向だ。
同社は従業員の受け入れ先となり得る複数の企業とすでに協議を開始している。アリアーネ・ラインハルト取締役(人事担当)は、可能な限り多くの従業員がシームレスで新たな職場を確保できるようにする考えを強調した。
スティーベルエルトロンは1924年設立の空調メーカーで、従業員数は5,500人。ギフホルンの南西およそ100キロのホルツミンデンに本社を置く。