貿易保険で気候保護を加味、第4四半期から適用へ

独経済・気候省は24日、エネルギー、製造、運輸の3部門を対象とする輸出保険の新指針案を公表した。貿易保険で気候保護を加味したルールを初めて導入する。すでに政府内で合意しており、今後は経済団体、労働組合、非政府組織(NGO)の意見を聴取したうえで、第4四半期に発効させる計画だ。対外直接投資への保険にも近い将来、同ルールを適用する。

ドイツ政府はリスクの大きい輸出や国外プロジェクトを行う自国企業に対し、民間企業ユーラーヘルメスを通して貿易保険(ヘルメス貿易保険)を提供している。政府は今回公表した「セクター指針」という名の新指針案で、気候変動の防止に寄与する輸出をこれまでよりも強く支援するとともに、温暖化につながる化石エネルギー関連の輸出には原則として貿易保険を適用しない方針を打ち出した。

具体的には気候変動防止に寄与する案件を「グリーン」、中立の案件を「ホワイト」、マイナスの効果のある案件を「レッド」に分類。グリーン案件では保険価額(保険事故の際に発生する損失額の最高見積額)に対する保険金額に割合である付保率(カバー率)を従来の95%から98%へと引き上げる。製品に占めるドイツ国外での付加価値の割合が70%以内であれば適用対象となる。

化石エネルギー関連で貿易保険が例外的に適用され得るのは天然ガス関連の案件。国内でエネルギー供給不足や食糧危機が発生する恐れがある場合に例外措置として適用される。

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