VWが販売予測引き下げ、中国の不振で

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは27日の決算発表で、2023年12月期の販売見通しを引き下げた。主力市場の中国で販売が振るわないためで、従来予測の約950万台から「900万~950万台」へと修正。最悪の場合はこれまでの見通しを50万台下回る可能性を明らかにした。

上半期の中国販売台数は145万1,900台で、前年同期を1.2%下回った。6月に限ると前年同月比14.5%減の29万1,400台と大きく落ち込んでいる。同国で電気自動車(BEV)のニーズが急増するなか、VWグループのBEVは人気がないという問題が背景にある。これに対処するため、同社は26日、現地新興メーカー小鵬汽車(XPENG)などと共同で顧客ニーズに見合ったBEVを共同開発する計画を打ち出した。

23年4-6月期の売上高は800億5,900万ユーロとなり、前年同期を15.2%上回った。コロナ禍に伴う半導体不足で膨らんだ受注残の消化が進み、販売台数が18.0%増の233万1,500台に拡大したことが大きい。営業利益は24.7%増の56億ユーロで、売上高営業利益率は前年同期比6.5%から7.0%に上昇した。税負担が増えたことから、税引き後利益は3.1%減の37億9,100万ユーロに縮小した。

決算発表では物流に問題を抱えていることも明らかにした。欧州と米国で鉄道の輸送キャパシティーとトラック運転手が不足しているという。

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