IoT大手の独ボッシュは1日、マレーシアのペナンに半導体チップとセンサーの検査センターを開設したと発表した。自動車、消費財産業からの需要が拡大し続けていることを受けた措置で、シュテファン・ハルトゥング社長は「半導体事業の拡大がボッシュにとって持つ戦略的な意義は大きい」と述べた。
約6,500万ユーロを投じてクリーンルーム、オフィス、ラボからなるセンターを建設した。床面積は1万8,000平方メートル強。2030年代半ばまでに2億8,500万ユーロを追加投資する計画だ。同センターの開設により、ペナンの従業員数は4,200人に増え、同社最大の東南アジア拠点となった。センターの雇用規模は30年代半ばまでに最大400人に拡大する。
半導体の生産工程は電子回路をウエハー上に形成する前工程と、加工したウエハーからチップを切り取ってデバイスに加工し検査する後工程からなる。ペナンの新センターは独ロイトリンゲン、中国の蘇州、ハンガリーのハトヴァンに続くボッシュ4カ所目の半導体検査拠点で、主に独ドレスデン工場で生産した製品の検査を行う。
同社は半導体投資を今後も積極的に行う意向だ。ドレスデンとロイトリンゲンには「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト(IPCEI)」の枠組みで支援を受け今後3年間に約30億ユーロを投資。米国でも半導体ファウンドリー、TSIセミコンダクターの買収後、カルフォルニア州のローズビルにあるTSIの工場に約14億ユーロを投じ、26年から200ミリウエハーベースのSiC(炭化ケイ素)半導体を生産する。