エネルギー設備大手の独シーメンス・エナジーは7日の決算発表で2023年9月通期の税引き後赤字が過去最大の約45億ユーロに達する見通しを明らかにした。これまでは同8億ユーロ強を見込んでいたが、風力発電設備子会社シーメンス・ガメサの品質不良問題などを受けて大幅な下方修正を余儀なくされた。
ガメサでは陸上風力発電用タービンの部品で故障が頻発している。1月の時点ではこれに伴う費用を4億7,200万ユーロと見積もっていたが、今回の発表で16億ユーロへと大きく引き上げた。洋上風力発電タービンの分野でも物価高騰による材料コストの膨張や工場の生産能力拡張に伴うトラブルで6億ユーロの損失を計上する。
23年4-6月期(第3四半期)には税引き後赤字29億3,100万ユーロを計上した。赤字幅は前年同期(5億6,400万ユーロ)の5倍強に拡大している。売上高は3.1%増の75億600万ユーロ。
新規受注高は51.3%増えて148億8,600万ユーロとなった。ガメサで108.8%増、送電網部門で63.9%増と大きく伸びた。