航空大手の独ルフトハンザは22日、出張予約サービスに人工知能(AI)を投入すると発表した。フライトや宿泊などの煩雑な予約手続きを大幅に簡素化し、顧客企業の負担を軽減する狙い。デジタル技術開発子会社ルフトハンザ・イノベーション・ハブが開発した。開発担当者のスタニスラフ・ボンダレンコ氏は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、「出張予約には現在も1~2時間を要することが多い。われわれはこの初めての自律AI旅行アシスタントの助力でこれを5~10分に短縮したい」と語った。
米オープンAIが開発した自然言語処理AIの最新モデル「GPT4」をベースに「スイフティ(Swifty)」というアプリを開発した。利用者がフライトやホテルの条件や要望を入力すると、それに見合った候補が3件表示される。クリックすれば10件に増やすことも可能。チャットをさらに続けることで選択肢を狭めていき、予約を行う。
フライトは米国と欧州の全航空会社が提供するものの約90%をカバー。ホテルは米オンライン旅行通販大手エクスペディアのものを提供する。フライトとホテルの膨大の選択リストなどは表示されないことから、予約に要する時間を大幅に短縮できる。また、決済と、伝票を1カ所にまとめて保管するサービスも提供することから、利用者の負担軽減効果は大きい。同社は出張管理部署を持たない小企業やスタートアップ企業、自営業者のニーズが特に大きいとみている。
将来的には列車、タクシー、レストラン、コワーキングスペースにも予約サービスを拡大する意向だ。消費者は現時点でスイフティを利用できない。