高級乗用車大手の独メルセデスベンツが廃電池粉砕装置を電池リサイクル装置製造の独プリモビウスに発注した。プリモビウスに50%出資する豪電池材料メーカー、ネオメタルズが22日に明らかにした。
プリモビウスはネオメタルズが独プラント大手SMSグループと折半出資で設立した合弁会社で、独西部のヒルヒェンバッハに本社を置く。大手自動車メーカーから電池リサイクル装置を受注するのは今回が初めてだ。
電池のリサイクルには前処理された廃電池を機械的に粉砕して黒い粉末を得る工程と、黒い粉末に湿式製錬処理を施し電池原料のリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンを取り出す工程がある。
メルセデスは西南ドイツのクッペンハイム工場内に使用済みの車載リチウムイオン電池をリサイクルするパイロット施設を建設する計画。プリモビウスに発注した粉砕装置はその一部をなすもので、第4四半期から設置作業を開始し、来年第1四半期に稼働させる予定だ。1日当たりの処理能力は10トンに上る。プリモビウスは同パイロット施設の湿式精錬装置についても近く、受注を獲得すると見込んでいる。
メルセデスは同施設の運営を通して電池リサイクルのノウハウを集める。中長期的にリサイクルの規模を拡大し、電池材料の外部依存を引き下げる考えだ。