独機械業界の競争力が低下、中国企業との競争激化

ドイツの機械業界の競争力が低下しているもようだ。Ifo経済研究所の23日付の発表によると、欧州連合(EU)域外市場での競争力を示す指数は7月にマイナス14.3ポイントとなり、前回(4月)のマイナス7.3ポイントから大幅に悪化。調査を開始した1994年7月以降の最低を更新した。これまでは金融・経済危機の最中にあった2009年1月のマイナス10.6が最低だった。調査担当者は「EU域外の販売市場では特に中国企業との競合が強まっている」と述べた。

Ifoは独機械メーカーを対象とする競争力に関するアンケート調査を4半期ごとに実施。競争力が「上昇した」との回答比率から「低下した」との比率を引いた数が競争力指数となる。同数値がマイナスの領域にあることは競争力低下回答が上昇回答を上回っていることを意味する。同指数はEU市場(-8.5ポイント)とドイツ市場(-4.1ポイント)でもマイナスに沈んだ。

専門人材と重要部品・部材の不足も足かせとなっているもようだ。アンケートでは専門人材不足が大きな問題になっているとの回答が40%に上った。少子高齢化の進展のほか、シフト勤務や地方部での勤務を嫌う傾向が若年層の間で強いことがネックとなっている。機械メーカーは地方に多いことから、人材確保が難しい。

エネルギー・原料コストの高騰も響いている。現時点で産業空洞化は起きていないものの、少数ながらすでに国外への生産移管を行った企業もあるという。