熱電併給の水素混焼試験が好調、順調なら年明けにもタービン認証

地域エネルギー事業者の墺ウイーン・エネルギー、独ライン・エネルギー、独発電設備大手シーメンス・エナジー、墺エネルギー大手フェアブントの4社が共同で行う熱電併給システムの水素混焼試験が順調に進んでいる。ウイーン・エネルギーの23日付の発表によると、天然ガスに水素を15%混合して燃焼するという目標をすでに実現した。順調にいけば、試験で用いるタービンの水素混焼認証を年明けにも取得できる見通しだ。

4社はウイーン・エネルギーのドナウシュタット発電所で熱電併給システムの燃料に水素を混ぜて燃焼させる試験プロジェクトを実施している。期間は7月中旬から9月中旬の2カ月。当初は水素混合率が5%だったが、すでに目標の15%を達成した。今後も試験を行ったうえで、試験データの分析を進め、タービンの認証を受ける考え。その後はさらに、混合率を約30%に高めて新たな試験を行う計画だ。

今回の試験の実施に向け、ドナウシュタット発電所の既存タービンにシーメンス・エナジーが改良を加えた。同タービンはライン・エネルギーのケルン発電所など欧州で計115基以上が使用されている。全世界では350基以上に上る。水素混焼の認証が得られれば、これら既存のタービンに改良を加えるだけで、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減できるようになる。

ドナウシュタット発電所の熱電併給システムは熱容量が350メガワット(MW)、発電容量が395MWで、総合エネルギー効率は86%を超える。水素を15%混合すると、CO2排出量を年3万3,000トン削減できるという。

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