自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは24日、半導体を安定的に調達するための戦略を発表した。コロナ禍に伴う世界的な供給不足で車両生産に大きな支障が出たことを踏まえた措置。バリューチェンの透明性を高めるほか、サプライヤーの部品選定に影響力を行使する意向だ。車両の電動化や自動運転化に伴い半導体の搭載数は今後、一段と増えることから、安定確保できるかどうかは競争力を大きく左右する。
サプライヤーから調達する電子部品(コンポーネンツ)にどのような部品(パーツ)が使われているかを正確に把握できるようにする。世界の部品市場動向をモニタリングし、供給不足発生の兆しがある場合は速やかに対応できるようにする考えだ。戦略的に重要な半導体と、自社の独自開発向けには半導体メーカーから直接、供給を受ける。
同社はこれまで、制御機器などの電子部品を調達する場合、これらの部品に搭載するパーツの選定を基本的にティア1レベルのサプライヤーに任せてきた。今後はどの半導体などを搭載するかについてサプライヤーと共同で選定していく。
新戦略を実施するための司令塔として、半導体調達委員会(SSC)を設立する。グループの各ブランドと部品部門、ソフトウエア開発子会社カリアドの調達・開発関係者で構成される。