ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した8月の乗用車新車登録台数は前年同月比37.3%増の27万3,417台となり、6カ月連続で2ケタ台の伸びを記録した。増加は7カ月連続。サプライチェーンのひっ迫緩和を受けて受注残の消化が進んでいる。ただ、コロナ禍前の19年8月に比べると12.9%少ない。1~8月も前年同期比16.5%増の191万3,564台に拡大したものの、19年同期比では23.3%減少した。
8月の新車登録を動力源別でみると電気自動車(BEV)は170.7%増の8万6,649台と大きく拡大した。購入補助金の支給対象が9月から一般消費者に制限されることを見据え、企業の駆け込み需要が殺到したもようだ。プラグインハイブリッド車(PHV)を含むハイブリッド車(HV)は17.7%増の7万396台と2ケタ増を確保したものの、今年初に補助金が打ち切られたPHVは41.1%減の1万4,552台とこれまでに引き続き大きく落ち込んだ。純粋な内燃機関車はガソリン車が8.9%増、ディーゼル車が9.2%増だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の16.1%から31.7%へと大きく拡大し、ガソリン車を抜いて初めて1位となった。HVは30.0%から25.7%へと低下。PHVは12.4%から5.3%に大幅下落した。内燃機関車はガソリン車が34.9%から27.6%、ディーゼル車が18.2%から14.5%へと落ち込んだ。BEVとPHVの合計のシェアは37.0%、BEVとHVは同57.4%となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は前年同月比15.8%減の95.3グラムとなり、初めて100グラムを下回った。BEVの登録比率が急上昇したことが反映されている。
主要3部門のシェアではトップのSUVが29.4%から33.8%へと拡大した。2位コンパクトカーは0.5ポイント増の16.5%、3位小型車は横ばいの11.4%だった。
伸び率が最も大きかったブランドは前月同様スマートで、2,166.9%増の2,947台を記録した。中国のNIO(蔚来汽車)も1,108.8%増の411台と4ケタ台の伸びとなった。ジープ(225.1%増の2,097台)、ポールスター(212.9%増の754台)、MGロエベ(176.4%増の2,454台)、レクサス(175.9%増の436台)、スズキ(174.3%増の2,735台)、双竜(133.3%増の427台)、スバル(122.5%増の543台)は3ケタ増だった。
ドイツ車はMAN(44.3%減の113台)を除いてすべて増加した。ミニ(43.1%増の4,726台)とオペル(38.7%増の1万4,654台)は平均(37.3%)を上回る伸びを記録。BMW(31.6%増の2万972台)、メルセデス(25.7%増の2万3,004台)、アウディ(22.1%増の2万1,372台)、ポルシェ(22.0%増の2,311台)、VW(21.1%増の4万6,073台)、フォード(14.2%増の1万1,685台)も前年同月を上回った。
日本車もおおむね好調で、日産は73.1%増の2,742台、ホンダは55.1%増の799台、マツダは54.0%増の3,867台、トヨタは32.1%増の7,756台だった。三菱は4.1%減の1,743台に後退した。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、セアトは85.4%増の1万4,374台、ボルボは84.1%増の3,312台、フィアットは70.6%増の8,505台、ルノーは68.6%増の6,702台、起亜は48.7%増の8,864台、テスラは30.5%増の6,903台、ダチアは29.2%増の7,270台、現代は24.7%増の1万1,610台、シュコダは24.2%増の1万4,447台、シトロエンは16.7%増の3,790台、プジョーは12.8%増の4,171台とすべて増加した。
NIO以外の新参組の中国ブランドはGWM(長城汽車)が2,211台、BYD(比亜迪汽車)が2,034台、AIWAYS(愛馳)が2台だった。