製造業新規受注が3年3カ月来の下げ幅に、7月は-12%

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した7月の製造業新規受注指数(2015年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比11.7%減の96.2(暫定値)となり、20年4月以来3年3カ月ぶりの大幅下落を記録した。受注減は4カ月ぶり。前月は大型受注で水準が押し上げられており、その反動が出た格好だ。大型受注を除いたベースでは0.3%増加した。

新規受注を地域別でみると、ユーロ圏(ドイツを除く)が24.4%減って足を強く引っ張った。前月は航空宇宙分野の大型受注で水準が極端に押し上げられていた。ユーロ圏外は4.1%減、国内は9.7%減だった。

部門別では投資財の減少幅が最も大きく、15.9%に達した。ユーロ圏が35.3%縮小したことが大きい。

中間財は4.5%減少し、2カ月ぶりに後退した。ユーロ圏外が8.1%、ユーロ圏が5.1%、国内が2.0%の幅で落ち込んだ。

消費財も8.2%低下した。前月に急増したユーロ圏外が20.1%の反動減となったことが響いた。

分野別ではその他の輸送機器(航空機や鉄道車両、船舶)が72.4%増となった前月の反動で54.5%減少した。このほか、データ処理・光学機器(23.6%減)、電気装置(16.7%減)、機械(8.7%減)が振るわなかった。自動車・自動車部品は2.7%、金属製造は1.0%、化学は0.5%増加している。

6月の製造業新規受注は当初の前月比7.0%増から同7.6%増へと上方修正された。

新規受注を特殊要因によるブレが小さい2カ月単位の比較でみると、6~7月は前期(4~5月)比で4.4%増加した。ただ、企業景況感と世界経済が低迷していることから、製造業の景気回復見通しは立たない状況だ。

7月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を1.0%下回り、2カ月連続で減少した。6月については1.6%減から1.4%減に上方修正された。

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