商用車大手の独ダイムラー・トラックは6日、米エンジン大手カミンズのクリーンエネルギー部門アクセレラなど3社と電池セルの合弁生産会社を米国に設立すると発表した。規模の効果でセルの生産コストを引き下げるとともに、様々な種類の電池を確保できるようにする狙い。取引の成立には独禁当局などのほか、外国からの直接投資の国家安全保障への影響を検討する対米外国投資委員会(CFIUS)の承認が必要となる。
ダイムラー・トラック、アクセレラ、米トラック大手パッカー、中国の電池製造大手EVEエナジー(恵州億緯鋰能)の4社で合弁会社を設立する。出資比率はEVEエナジーが10%で、残り3社は各30%。20億~30億ドルを投じて、電気トラックと製造業用の電池セルを生産する。合弁会社の社名や工場の設置予定地、生産開始時期は明らかにしていない。
まずはリチウムイオン電池の一種であるLFP電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)を製造する。同電池は正極材にリチウム、鉄、リンを使用。一般的なリチウムイオン電池と異なりニッケルとコバルトを用いない。エネルギー密度が低いという弱みがあるものの、低コスト、長い電池寿命、高い安全性というメリットがある。
EVEエナジーは技術パートナーとして、電池セルの設計・生産に関するノウハウを持ち寄る。