ティッセンの潜水艦子会社に国が出資も

ドイツのボリス・ピストリウス国防相は12日、独複合企業ティッセンクルップの潜水艦子会社ティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)に国が出資することを検討していることを明らかにした。キールに新設されたTKMSの造船ホール開所式で明らかにした。出資するかどうかを少なくとも年末まで検討するとしていることから、決定は来年以降になる見通しだ。TKMSのオリファー・ブルクハルト社長は、成長期を迎えている同社に必要な資金を親会社ティッセンが捻出できない可能性があるためだと事情を説明した。

ティッセンは3月の監査役会でTKMSの分離を決議し、同子会社の売却に向けた準備を開始した。すでにカーライルなど投資会社が買収に関心を示しているもようだ。

潜水艦の建造は長期プロジェクトであることから、発注元は潜水艦が確実に納入されることの保証を要求する。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、TKMSが投資会社の子会社になると、銀行からプロジェクト資金の保証を得ることが難しくなることから、国が資本参加する案が浮上しているもようだ。

キールの新造船ホールではドイツ海軍とノルウェー海軍から受注した212CD型潜水艦が建造される。式典にはノルウェーのビョルン・アリルド・グラム国防相も出席した。

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