独化学工業会(VCI)が14日に発表した独化学・製薬業界の第2四半期の生産高は営業日数・季節調整ベースで前期比1.2%減となり、これまでに引き続き落ち込んだ。新規受注の低迷と生産コスト高を背景に減産と国外への生産移管の動きが止まらない。マルクス・シュタイレマン会長(コベストロ社長)は、「政府はエネルギー集約型産業の警鐘を真剣に受け止めなければならない」と強調。製造業の空洞化を回避するためには高止まりしている電力価格を、国際競争力を保てる水準まで引き下げる政策が特に重要だと訴えた。世界経済が今後、回復しても、独化学業界がその恩恵を受けられない可能性があるとしている。
生産高の落ち込みが最も大きかった部門はポリマーで、減少幅は5.4%に上った。これに石油化学品・誘導体が3.1%、洗剤・ボディケア用品が2.9%で続いた。
工場稼働率は77.3%となり、前期(78.6%)に比べ1.3ポイント低下した。通常の水準(83~85%)を大幅に割り込んでいる。
第2四半期の出荷価格は3.1%下落した。需要の減少と競争激化が反映されている。無機基礎化学品では下げ幅が11.4%に達した。
生産減と価格低下を受け、売上高も4.7%減の542億ユーロに落ち込んだ。国内が6.9%、国外が3.4%の幅で縮小した。無機化学品が14.5%減と特に大きく下がっている。