非鉄金属大手の独アウルビスは19日、2023年9月通期の利益見通しを引き下げた。盗難・詐欺被害の発覚を受けて実施した臨時棚卸の結果、在庫が本来の水準を1億8,500万ユーロ下回っていることが明らかになったためで、税引き前利益(EBT)を従来予測の「4億5,000万~5億5,000万ユーロ」から「3億1,000万~3億5,000万ユーロ」に下方修正。経営資本営業利益率(ROCE)も「14~18%」から「8~12%」に引き下げた。
同社は6月、貴金属を含有する中間製品が数年間、犯罪集団により盗取されていたことを明らかにした。被害額は約2,000万ユーロとしていた。
その後、臨時棚卸を行ったところ、外部から調達したリサイクル用スクラップに含まれる有用金属の量が帳簿上の量を下回っていることが分かった。被害額は保険金などで相殺できないことから、業績予測の下方修正が避けられなくなった。