テスラの元役員が欧州進出、独で電池リサイクル工場を取得

米電気自動車(BEV)大手テスラの創業期のメンバーであるジェフリーブライアン・ストラウベル氏は欧州で電池リサイクル事業を立ち上げる意向だ。経済紙『ハンデルスブラット』などに明らかにしたもので、自身が経営するリサイクル企業レッドウッドを通して独同業レドゥックスからブレーマーハーフェン工場を取得する。取引金額は明らかにしていない。

レドゥックスから譲り受ける工場で、リチウムイオン廃電池から中間生成物である黒い粉末(ブラックマス)を取り出す。年間の処理能力は電動車2万台分に当たる1万トン。2030年までに2倍以上に引き上げる。

ブラックマスからリチウムやコバルトなどの正極材料を取り出す業務は当面、外部の企業に委託する。将来的には自ら行う考え。

ドイツへの進出を決めたのは、フォルクスワーゲン(VW)、メルセデスなど地場系の自動車メーカーが多いうえ、テスラも工場を構えるなど潜在顧客が多いためだ。ストラウベル氏はテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)と親しく、VWとは米国ですでに協業している。電力価格が低い北欧でも候補地を模索したが、差し当たり見合わせた。将来的には北欧と中欧に工場進出することを視野に入れている。

同氏は2004年から19年までテスラの最高技術責任者(CTO)を務めていた。

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