生産者物価が過去最大の下げ幅に、8月は-12.6%

ドイツ連邦統計局が20日発表した8月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比12.6%減の147.4となり、統計を開始した1949年以降で最大の下げ幅を記録した。同物価の下落は2カ月連続。比較対象の22年8月は上昇率が45.8%に達しており、そのベース効果で下落幅が膨らんだ格好だ。川上のエネルギーと中間財が低下し、全体を強く押し下げた。消費財と投資財でも上昇率の鈍化が続いている。

エネルギーは31.9%減となり、4カ月連続で下落した。下げ幅は電力が43.2%、天然ガスが32.4%。石油製品は8.7%で、灯油は24.0%、自動車燃料は3.0%だった。

生産者物価はエネルギーを除いたベースでは1.2%上昇したものの、上げ幅は前月の2.0%から縮小した。エネルギーの指数自体は15年(100)の約2倍の198.8と、極めて高い水準にとどまっている。

中間財も4.1%減となり、4カ月連続で低下した。金属が10.8%下落。銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が16.1%、鉄筋では同35.5%に上った。肥料・窒素化合物(-40.8%)、木製包装材(-27.2%)、木材(-23.4%)、二次原料(-20.4%)も大きく下がっている。石灰・焼石膏(+34.1%)、生コンクリート(+26.7%)、セメント(+26.3%)、中空瓶(+24.9%)、建設用小石・砂(+16.8%)などは大きく上昇した。

投資財は5.1%上昇したものの、上げ幅は前月を0.4ポイント下回った。構成比重の大きい機械の上昇率は6.4%、自動車・自動車部品は同4.1%となっている。

耐久消費財は5.2%(前月5.8%)で、家具は5.5%、白物家電は5.7%だった。

非耐久消費財は6.9%(同8.1%)で、食料品は7.6%(9.2%)に上った。砂糖は87.2%、加工済みジャガイモは32.3%、豚肉は24.7%、果物・野菜製品は17.8%と上げ幅が大きい。非加工の植物油は39.7%減、バターは32.4%減と大幅に下落。牛乳とコーヒーもそれぞれ5.4%、5.3%下がった。

生産者物価指数は前月比では0.3%増となり、4カ月ぶりに上昇した。ピーク時の昨年9月(指数172.5)に比べると14.6%低い。

エネルギーが前月比で1.6%上がり、全体を押し上げた。中間財は0.7%減、非耐久消費財は0.3%減、耐久消費財と投資財は横ばいだった。エネルギーを除いたベースでは同物価が0.7%低下した。

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