半導体大手の独インフィニオンは21日、持続可能な電子製品の実現に向けた欧州研究プロジェクト「EECONE(European ECOsystem for greeN Electronics)」で統率・調整役を引き受けると発表した。計49の企業や研究機関が参加する同プロジェクトは期間が3年。20、21日の両日に仏ツールーズで設立イベントが開催された。
EECONEは「6R」というコンセプトを掲げている。これは材料使用料の削減(Reduce)、長期間にわたり正常に機能する信頼性(Reliability)、修理のしやすさ(Repair)、再利用のしやすさ(Reuse)、リファービッシュのしやすさ(Refurbish)、リサイクルのしやすさ(Recycle)の頭文字をとったもの。例えば、回路基板を軽量・薄型化すれば資源の節約につながり、半導体を交換できるようにすれば修理しやすくなる。プロジェクトでは製品寿命を延ばすために人工知能(AI)を投入することや、持続可能な設計を実現するためのツール開発、電子機器の標準化などに取り組む。家電や情報通信機器だけでなく、自動車、健康器具、航空機、農機も対象となる。
EECONEは欧州連合(EU)が共同事業(ジョイント・アンダーテイキング)として支援する主要デジタル技術(キー・デジタル・テクノロジーズ)研究プロジェクトの1つ。プロジェクト資金3,500万ユーロのうち2,000万ユーロをEUと加盟国が支援する。