横河電機は25日、蘭ロッテルダム港のコンビナートで電気・蒸気・熱などのエネルギーと、水・水素・二酸化炭素(CO2)などの資源を有効利用するための産業間連携に向けた実現可能性調査をロッテルダム港湾公社と共同で開始したと発表した。コンビナートに拠点を置く石油化学各社がこれまで単独で行ってきた操業の最適化を連携させることで、省エネ・省資源化を一段と推進できるようにする。
各社が持つ熱や電力、水素などの用役設備を統合すると、エネルギーやCO2排出量の削減が期待できる。例えば電力では需要家側の消費を平準化しピークを抑えることで、港湾内の電力系統の混雑防止や緩和を実現できる。また、副産物として蒸気を発生する事業者の場合、近隣の事業者が蒸気をエネルギーとして使用する需要が高まるタイミングで増産することで、無駄な廃熱を防ぐことができる。
事前調査では、事業者間での電力などの需給を最適化することでコストを最大5%削減できることが判明した。CO2排出削減効果も見込める。
産業間連携を実施するためには連携する各社の情報の機密性を保つことが前提となる。横河電機とロッテルダム港湾公社はこの事情を踏まえて、コンビナート全体で省エネ・省資源の実現を目指す。
実現可能性調査の第1回目の結果は今年末までに得られる見通し。良好な結果が得られれば、来年から実証実験の計画を策定する予定だ。