化学大手の独コベストロが大規模な組織再編の準備を進めている。クリスティアン・クルマン社長が『ハンデルスブラット』紙に明らかにしたもので、欧州の主要3拠点を分社化するほか、管理部門をスリム化する意向だ。
独マール、ヴェッセリング、ベルギーのアントワープをそれぞれ新設するサービス会社へと移管する。移管対象となるのは物流、発電業務や工場敷地。最大で4,000人の従業員が移籍することになる。分社化を通して事業強化資金を増やす狙いだ。
分社化の方法としては事業売却、外部企業との合弁化、化学工業団地運営会社との協業など様々な可能性を想定している。クルマン氏は3拠点それぞれについて個別的な解決策を見出す意向を示した。2025年下半期に分社化の手続きを完了する見通し。
管理部門のスリム化では複雑で高コスト構造の組織の無駄を省くとともに、従業員に裁量の余地と責任を与え、主体的に行動できる体制を構築する。また、世界各地の事業ユニットに決定権を移管。独エッセン本社は戦略管理に専念する。「エボニック・テーラーメイド」という名のプロジェクトチームをすでに設置しており、来春までに管理部門再編の設計図を策定。3年以内に実行する。