燃料電池車で1000キロ走行=ダイムラー・トラック

商用車大手の独ダイムラー・トラックは26日、水素燃料電池トラックの試験走行で航続距離1,000キロメートル超を達成したと発表した。アンドレアス・ゴルバッハ取締役(トラック技術担当)は、「1回の燃料充填で1,000キロの壁を破ったことで、わが社は感動的なことを証明した。すなわち水素はトラックでたわごとではなく、わが社は量産に向けて順調に進んでいるということを」と述べた。

同社はプロトタイプ「GenH2トラック」を用いて走行試験を実施した。西南ドイツのヴェルト・アム・ラインにあるメルセデスベンツ・トラック顧客センターを25日午後に出発。26日朝に首都ベルリンに到着した。走行距離は1,047キロに上る。走行条件をリアルなものにするため、荷物をフルに積み車両総重量を40トンとして試験を行った。試験が適切であったことを認証機関テュフ・ラインラントが証明している。

ダイムラー・トラックは欧州と日本、北米で販売する車両を2039年までにすべて炭素中立車とする計画。その実現に向け電気自動車(BEV)と燃料電池車(FCV)をともに活用する戦略を打ち出している。BEVトラックでは配達や特定区間の定期走行を想定。これに対し、不特定の長距離ルートを走行する大型トラックでは燃料電池が適しているとしている。スウェーデン同業のボルボと燃料電池を共同開発しており、同協業をベースに20年代後半から燃料電池トラックを量産する計画だ。

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