VWでIT障害、生産を一時停止

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)で27日、大規模なIT障害が発生した。28日現在は復旧が進んでいるものの、一時は多くの工場が生産停止に追い込まれた。原因は解明されていない。外部からの攻撃の可能性は低いもようだ。

27日12時半頃に問題が発生し、影響が徐々に広がっていた。ヴォルフスブルク、エムデン、オスナブリュック、ツヴィッカウ、カッセル、ブラウンシュヴァイク、ザルツギターで生産を停止。国外や子会社アウディ、ポルシェの工場にも影響が出たもようだ。電子メールも使用不能となった。

同社は危機対策本部を設置するとともに外部の協力を得て復旧作業を行っている。28日早朝には「フォルクスワーゲンのネットワークのITインフラ問題は夜間に除去された。ネットワークは再び安定している」との声明を発表した。ただ、メディア報道によると、すべての問題が解決したわけでなないようだ。管理部門の一部では無線ランや入退室システムが機能しない状態が続いているという。

ハッカーなど外部からの攻撃の形跡はみつかっていない。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が社内情報として報じたところによると、ヴォルフスブルク本社のサーバーで誤った演算が累積した結果、ITインフラの多くの部分が徐々に機能不全に陥った可能性がある。『ハンデルスブラット』紙は「非典型的なデータ内容」が不具合を引き起こしたと報じている。VWは調査中として原因についてのコメントを控えている。

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