値上げ計画の企業が13カ月ぶりに増加

Ifo経済研究所が29日に発表した9月のドイツ価格計画指数(DI)は15.8ポイントとなり、前月(14.7ポイント)を1.1ポイント上回った。同指数の上昇は13カ月ぶり。調査担当者は「欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%のインフレ率に到達するにはおそらくある程度の時間を要するだろう」との見方を示した。

Ifoは月例の企業景況感調査の一環として今後3カ月の販売価格見通しを質問している。企業は「値上げする」「据え置く」「値下げする」のどれかを選んで回答。「値上げする」の回答比率から「値下げする」の回答比率を引いた数に季節要因を加味したものが価格計画指数となる。すべての企業が「値上げする」と答えれば同指数は100ポイントとなり、すべての企業が「値下げする」とすればマイナス100ポイントとなる。

部門別でみると、サービス業の価格計画指数は25.3ポイントとなり、前月を1.6ポイント上回った。調査担当者は同業界のコストに占める賃金の割合が高いことを踏まえ、企業は上昇した人件費を価格に部分転嫁しているとの見方を示した。同指数は飲食業で13.7ポイント増の62.8ポイントと特に大きく増えた。

製造業でも0.8ポイント増の4.6ポイントへと上昇した。自動車では13.3ポイント増の34.3ポイントと上げ幅が大きい。製紙はマイナス49.7ポイントからマイナス55.4ポイントへと下がっている。

流通業は33.6ポイントから31.4ポイントへと低下した。ただ、数値がゼロを大きく上回っていることから、値上げを予定する企業が依然として圧倒的に多い。

建設業はマイナス10.2ポイントからマイナス12.6ポイントへと下がった。4部門のなかで唯一、数値がマイナスの領域にある。金利の急上昇と建材費の高騰で業界が深刻な不況に陥っていることが反映されている。

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