自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは6日、車載電池子会社パワーコがベルギー非鉄金属大手のユミコアと欧州に設立する電池正極材合弁の社名を「イオンウェイ(IONWAY)」とすると発表した。
両社は昨年9月、折半出資の電池正極材合弁をベルギーに設立することを明らかにした。投資額は両社合わせて30億ユーロ。2025年から正極材と前駆物質の生産を開始し、パワーコの欧州工場(ギガファクトリー)に供給する。年産能力は26年時点で40ギガワット時(GWh)。30年までに電気自動車(BEV)220万台分に相当する160GWh体制を構築する計画だ。
正極材は電池セルコストの約50%を占める中核部品。電池の原料価格が高騰するなか、これを安定した価格で長期調達できるかどうかは自動車メーカーの競争力を大きく左右する。VWはイオンウェイを通して電動車の普及拡大に伴い需要が増える電池正極材を、競争力を保てる価格で安定調達する考えだ。ユミコアには販売先を安定的に確保できるメリットがある。