中国製BEVへのEU補助金関税、BMWが不実施を促す

中国製の電気自動車(BEV)に反補助金関税を課す方向で欧州連合(EU)の欧州委員会が動き出したことを、独高級車大手のBMWが警戒している。ヴァルター・メルトル取締役(財務担当)は6日、制裁関税をかければ報復措置を受けることは歴史が示すところだと明言。反補助金関税を導入しないよう欧州委に促した。

欧州委は4日、中国製BEVへの反補助金調査を開始したと発表した。公的補助などを後ろ盾にEUに安値で輸出し、域内の事業者を圧迫しているかどうかをチェック。問題があると判断すれば同関税を課す。

BMWはBEV「iX3」を中国で製造し、欧州に輸出している。来年からは「ミニ」のBEVモデルも中国から欧州に出荷する予定だ。

メルトル氏は、中国製BEVに対するEUの反補助金関税よりも、中国が取ると予想される対抗措置の方が影響は大きいと指摘したうえで、EUの措置で保護されるのは他国で事業を行っていないメーカーだけだと明言した。中国で存在感のないフランスやイタリアのメーカーを示唆したものとみられる。メディア報道によると、欧州委はフランス政府の圧力を受けて今回の措置を開始したもようだ。独メーカーは中国を最大の市場としていることから、同措置を大きなリスク要因とみている。

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