生産者物価の下げ幅がまたも記録更新、9月は前年同月比-14.7%に

ドイツ連邦統計局が20日発表した9月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比14.7%減の147.1となり、統計を開始した1949年以降で最大の下げ幅を2カ月連続で更新した。同物価の下落は3カ月連続。比較対象の22年9月は上昇率が45.8%に達しており、そのベース効果で下落幅が膨らんだ格好だ。川上のエネルギーと中間財が低下し、全体を強く押し下げた。消費財と投資財でも上昇率の鈍化が続いている。

エネルギーは35.9%減となり、5カ月連続で下落した。下げ幅は電力で46.2%、天然ガスで36.9%と大きい。石油製品は9.0%で、灯油は10.9%、自動車燃料は8.0%だった。

生産者物価はエネルギーを除いたベースでは0.8%上昇したものの、上げ幅は前月の1.2%から縮小した。エネルギーの指数自体は15年(100)の約2倍の198.1と、極めて高い水準にとどまっている。

中間財も4.2%減となり、5カ月連続で低下した。金属が11.2%、化学品が11.6%下落し、全体を特に強く押し下げた。銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が18.5%、鉄筋では同33.8%に上った。肥料・窒素化合物(-42.9%)、木材(-20.8%)、二次原料(-14.0%)も大きく下がっている。石灰・焼石膏(+30.3%)、生コンクリート(+25.7%)、セメント(+23.1%)、中空瓶(+21.5%)、建設用小石・砂(+17.0%)などは大きく上昇した。

投資財は4.8%上昇したものの、上げ幅は前月を0.3ポイント下回った。構成比重の大きい機械の上昇率は6.0%、自動車・自動車部品は同3.9%となっている。

耐久消費財は4.7%(前月5.2%)で、白物家電は5.2%、家具は5.1%だった。

非耐久消費財は5.3%(同6.9%)。食料品は5.5%(7.6%)で、砂糖は84.7%、加工済みジャガイモは28.5%、食用アイスは18.5%、果物・野菜製品は17.2%、豚肉は12.1%と上げ幅が大きかった。非加工の植物油は35.0%減、バターは32.6%減と大幅に下落。牛乳とコーヒーもそれぞれ8.6%、4.0%下がった。

生産者物価指数は前月比では0.2%減となり、2カ月ぶりに低下した。エネルギーが0.4%、非耐久消費財が0.3%、中間財が0.2%、耐久消費財が0.1%下落。投資財は0.1%上昇した。エネルギーを除いたベースでは同物価が0.1%低下した。

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