日立建機は24日、蓄電装置の蘭アルフェンおよび伊藤忠商事と建設現場向け可搬式充電設備事業で協業する覚書を締結したと発表した。欧州の建設現場のゼロ・エミッション実現に寄与する。
アルフェンの可搬式充電設備を2024年から日立建機の欧州販売ネットワークを通して販売・レンタルする。伊藤忠は日立建機や販売代理店にファイナンス機能の支援や協力を行う。3社は将来的に、欧州以外の地域への拡販や使用済み可搬式充電設備のリユース・リサイクル、建設現場のゼロ・エミッション実現支援とエネルギー使用効率化に向けたソリューション提供も含めたビジネスモデルを検討する。
建設現場では近年、稼働時に二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを出さない電動建機への関心が高まっている。特に欧州は地球温暖化対策や低炭素社会の実現に向けた規制が厳しく、電動建機のニーズが強い。
その一方で、建設機械は近隣に充電設備や仮設電源がない場所で使われることが多く、作業が終わると別の建設現場に移動することから、大がかりな充電設備をその都度、設置することは効率的でない。このため、建設現場のゼロ・エミッション実現には可搬式充電設備の提供が必要不可欠と3社は判断。今回の覚書を締結した。
アルフェンの可搬式充電設備は10フィートコンテナの大きさであるため、コンテナ輸送と同じように車で輸送できる。フル充電で13トンクラスのバッテリー駆動式ショベル2回分相当の充電が可能だ。