PGを低コスト・省資源で生産、エボニックとダウのパイロット施設稼働

化学大手の独エボニックと米ダウは10月31日、プロピレングリコール(PG)をプロピレンと過酸化水素から直接、製造するパイロット・プラントを稼働させたと発表した。中間工程をなくすことでコストを削減するとともに、投入する資源の量を低減。持続可能性の高い製品を顧客に提供していく。数年後に量産を開始し、需要の拡大に対応できるようにする。

ダウはPGの世界最大手メーカー、エボニックは過酸化水素の有力メーカー。両社は独南部のハーナウにあるエボニックの拠点に共同開発したパイロット・プラントを開設した。

PGはこれまで、プロピレンを酸化プロピレンに合成したうえで、加水分解し製造されてきた。一方、両社のパイロット・プラントでは「HYPROSYN」プロセスという手法を採用。新しい触媒系を用いてPGをプロピレンと過酸化水素から直接的に製造する。これにより、例えば水の使用量を従来製法の5%未満に低減できるという。既存のPGプラントでも改造すれば新製法を導入できる。

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