化学・製薬大手の独メルクが電子材料部門で人員削減を計画している。同部門のカイ・ベックマン最高経営責任者(CEO)が従業員に宛てたメモをもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じたもので、「市場の需要への適応は必然的に従業員にも影響する」と明記。人件費その他のコストを2024年に6,000万~9,000万ユーロ圧縮する意向を明らかにした。広報担当者は人員整理を行う可能性を排除できないことを認めた。労使協定の取り決めで整理解雇はできないことから、早期退職や希望退職を通して実施することになりそうだ。
電子材料部門では液晶や半導体材料を製造している。コロナ特需の反動で電子機器の需要が鈍っているところに高インフレが追い打ちをかけ、市場の低迷が長期化している。ベックマン氏は「個人消費支出が2022年の水準をいつ回復するかは定かでない」と指摘。コスト削減策は避けられないと強調している。