特殊化学大手の独エボニックが7日発表した2023年第3四半期決算の純損益は9,600万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(2億1,400万ユーロ)から大幅に悪化した。景気低迷に伴う業績不振のほか、放出予定の高分子吸収剤(アクリル酸)事業で評価損2億3,300万ユーロを計上したことが響いた。
売上高は37億7,100万ユーロで、前年同期を23%下回った。販売減と販売価格の低下が反映されている。営業利益(EBITDA、調整済み)は21%減って4億8,500万ユーロとなった。
同社は利益の底上げに向け昨年下半期からコスト削減に取り組んでいる。今年は2億5,000万ユーロを圧縮する計画で、9月末までに1億7,500万ユーロの削減を実現した。23年12月期の営業利益で16億~18億ユーロ、売上高で140億~160億ユーロを確保するとしたこれまでの予測を据え置いている。