連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が14日に発表した7-9月期の機械輸出高は前年同期比2.0%増の503億ユーロ(暫定値)となり、これまでに引き続き拡大した。ただ、伸び率は1-3月期の15.2%、4-6月期の9.4%を大きく下回ったうえ、物価調整後の実質では3.6%減少。VDMAのチーフエコノミストは新規受注の縮小が続いていることを踏まえ、輸出の実質減少幅は今後、拡大するとの見方を示した。
1-9月期の輸出高は1,555億ユーロで、前年同期を名目8.7%上回った。地域別でみると、北米向けは15.7%増と伸び率が大きいのに対し、アジア向けは0.8%減少した。中国市場の低迷が響いた格好。欧州連合(EU)向けは7.3%増だった。
最大の仕向け先国は米国で、16.1%増の208億3,230万ユーロを記録した。高金利というマイナス要因はあるものの、インフレ抑制法など投資促進策の効果で景気は堅調を保っている。
2位中国は0.1%減の140億4,150万ユーロと振るわなかった。チーフエコノミストは、景気循環という一過性の問題のほか、輸入依存の低減を目指す同国政府の取り組みが背景にあると指摘。対中機械輸出は減少傾向が続くとの見方を示した。
欧州の主要国向けはおおむね好調で、フランス(輸出先3位)は14.1%増、イタリア(4位)は6.4%増、ポーランド(5位)は11.9%増、オランダ(6位)は7.5%増、英国(7位)は8.2%増を記録した。
中国以外の主要輸出先(20カ国)のなかで減少したのはオーストリア(2.3%減)とハンガー(3.7%減)だけだった。
主要製品分野をみると、農業機械(23.1%増)、物流機械(16.2%増)、工作機械(12.0%増)、食品・包装機械(10.8%増)は伸び率が2ケタ台に達した。
1-9月期の機械輸入高は713億ユーロで、前年同期を3.2%上回った。実質ベースでは1.9%減だった。
最大の輸入先国は中国で75億3,970万ユーロを記録したものの、前年同期を名目で16.9%下回った。2位はイタリア(5.9%増の63億7,220万ユーロ)、3位は米国(6.5%増の50億7,100万ユーロ)、4位はチェコ(13.3%増の49億2,070万ユーロ)、5位はスイス(6.7%増の44億1,170万ユーロ)となっている。日本は4.8%減の28億9,660万ユーロで9位だった。