経営不振の独シーメンス・エナジーに対する支援の枠組みが同社と連邦経済省の発表で15日までに分かった。国や民間銀行が総額150億ユーロの保証と再保証を行う。大株主である元親会社のシーメンスも関与する。
シーメンス・エナジーは風力発電設備子会社シーメンス・ガメサの品質不良問題などを受けて業績が悪化しており、15日に発表した2023年9月通期の税引き後損益は45億8,800万ユーロの赤字となった。
同社が受注するプロジェクトは長期に渡るものであることから、実行に当たっては売掛金回収リスクに対する銀行保証の裏付けが必要となる。だが、経営が悪化していることから保証を受けるのが難しくなり、政府に支援を要請していた。
経済省と同社の発表によると、150億ユーロの保証のうち120億ユーロを民間銀行が引き受ける。残り30億ユーロはシーメンス・エナジーがさらなるステークホルダーとの交渉で確保する。
国は保証総額の半額に当たる75億ユーロについて再保証を引き受ける。これにより民間銀行が保証を提供できるようにした。銀行シンジケート団も35億ユーロの再保証を行う。またシーメンスは、保証の引き受けに伴う損失が民間銀行に発生した場合、ファースト・ロス・カバーを通して10億ユーロの穴埋めを行う。
シーメンスはこのほか、インド子会社シーメンス・リミテッド(SIL)の株式18%をシーメンス・エナジーから約21億ユーロで買い取り、シーメンス・エナジーの資金繰りを支援する。SILに対するシーメンスの出資比率は51%から69%に上昇。シーメンス・エナジーは同24%から6%に低下する。