ドイツ連邦統計局が20日発表した10月の生産者物価指数(2015年=100)は前年同月比11.0%減の147.0へと低下した。下げ幅は統計開始後で最大となった前月(-14.7%)を下回ったものの、比較対象である22年10月の上昇率が大きかったことから、そのベース効果で2ケタ台に達した。同物価の下落は4カ月連続。川上のエネルギーと中間財がこれまでに引き続き低下し、全体を強く押し下げた。消費財と投資財でも上昇率の鈍化が続いている。
エネルギーは27.9%減となり、6カ月連続で下落した。下げ幅は電力で36.2%、天然ガスで29.6%と大きい。石油製品は13.2%で、灯油は22.3%、自動車燃料は12.8%だった。
生産者物価はエネルギーを除いたベースでは0.2%上昇したものの、上げ幅は前月の0.8%から縮小した。エネルギーの指数自体は15年(100)の約2倍の197.9と、極めて高い水準にとどまっている。
中間財も4.6%減となり、6カ月連続で低下した。金属が11.7%、化学品が12.1%下落し、全体を特に強く押し下げた。銑鉄・鉄鋼・鉄合金では下げ幅が18.9%、鉄筋では同30.9%に上った。肥料・窒素化合物(-45.4%)、飼料(-22.3%)、木材(-17.9%)も大きく下がっている。生コンクリート(+24.7%)、セメント(+22.0%)、石灰・焼石膏(+19.9%)、中空瓶(+17.5%)、建設用小石・砂(+17.1%)などは大きく上昇した。
投資財は4.4%上昇したものの、上げ幅は前月を0.4ポイント下回った。構成比重の大きい機械の上昇率は5.4%、自動車・自動車部品は同3.9%となっている。
耐久消費財は4.2%(前月4.7%)で、家具は4.8%だった。
非耐久消費財は3.9%(同5.3%)。食料品は3.7%(5.5%)で、加工済みジャガイモは29.4%、果物・野菜製品は16.0%、豚肉は10.4%と上げ幅が大きかった。非加工の植物油は34.1%減、バターは29.5%減と大幅に下落。牛乳とコーヒーもそれぞれ8.8%、4.6%下がった。
生産者物価指数は前月比では0.1%減となり、2カ月連続で低下した。中間財と非耐久消費財が0.2%、エネルギーが0.1%下落。耐久消費財は0.2%、投資財は0.1%上昇した。エネルギーを除いたベースでは同物価が0.2%低下した。