コロナ禍で受けた痛手から飲食業界が立ち直っていない。最悪期に比べると改善したものの、売り上げと雇用は新型コロナウイルス感染症の流行前を今なお大きく下回っている。
ドイツ連邦統計局の発表によると、9月の業界売上高は物価・営業日数・季節調整値で2019年同月を6.7%下回った。減少幅は酒場で34.5%と特に大きい。ケータリングは15.6%、飲食店・喫茶店は8.1%だった。
雇用規模は6.7%縮小した。酒場が12.0%減、ケータリングが8.6%減、飲食店・喫茶店が4.1%減となっている。
雇用縮小の背景には賃金が低く、人材確保が難しいという事情がある。統計局によると、業界の被用者の50%が22年10月時点で低賃金(時給12.76ユーロ以下)に該当した。ドイツの全被用者に占める低賃金の割合は15.2%にとどまる。