エボニックが過酸化物合弁TPLを完全子会社化

化学大手の独エボニックは15日、過酸化物の合弁生産会社であるタイ・パラクサイド・カンパニー(TPL)の資本50%をインド企業アディティア・ビルラ・グループから譲り受け、同日付で完全子会社化したと発表した。アジア市場で過酸化水素と過酢酸事業を強化する狙い。取引金額は公表していない。

TPLはタイ中部のサラブリーに拠点を置く企業。もともとはアディティア・ビルラと米ペロクシケムの合弁会社だった。エボニックは2020年にペロクシケムを買収し、TPLの資本50%を手に入れた。

エボニックの過酸化物事業は製紙・繊維産業向けなど汎用品が中心で収益力が低かった。同社はこのため、環境に優しい浄水、半導体洗浄、無殺菌の食品包装など収益力の高い特殊分野に強いペロクシケムを買収。特殊分野のポートフォリオを拡充した。TPLを今回、完全子会社化したことで、アジア市場で同事業を一段と強化する意向だ。スマート材料事業の統括責任者は、「TPLの専門技術は現在と将来の課題にオーダーメイドのソリューションを提供するというエボニックの目的に合致している」と述べた。

過酸化水素と過酢酸は使用後、生分解性の物質に分解されることから、環境に優しい物質としてニーズが増えている。

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