トタルエナジーズが独など4カ国のスタンド事業を売却

エネルギー大手の仏トタルエナジーズは4日、ドイツとベネルクス3国のガソリンスタンド事業をカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールに売却したと発表した。欧州連合(EU)域内で内燃機関車の販売が2035年から禁止されることを踏まえた措置。化石燃料需要の減少を見据え撤退に踏み切った。同社は15年以降、イタリア、スイス、英国のスタンド事業からも撤退している。

トタルエナジーズはドイツでスタンドを1,198カ所、オランダで同392カ所、ベルギーとルクセンブルクで計619カ所、運営してきた。今回の取引では独と蘭の事業を100%売却。ベルギーとルクセンブルクの事業については60%の資本を譲渡した。取引価格は34億ユーロに上る。

トタルエナジーズは今回売却したこれら4カ国のスタンドに今後少なくとも5年間、燃料の供給を続ける。供給は主に独ロイナ製油所、ベルギーのアントワープ製油所を通して行う。

同社は50年までの炭素中立達成を目指している。その実現に向け、自社の原油採掘能力を超えた石油製品の製造・販売を30年までに停止する意向だ。販売量は30%減少することになる。

自動車向け事業では今後、充電と水素補給サービスを強化していく。欧州の幹線道路・主要都市で充電ステーションの設置を加速。トラック用の水素供給網も仏エアリキードと共同で欧州に構築する。

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