高級乗用車大手の独BMWは10日、ミュンヘン本社工場で生産する車両を2027年末から電気自動車(BEV)に一本化すると発表した。同社の既存工場で内燃機関車の製造を停止する初の生産拠点となる。
ミュンヘン工場は1916年の設立で、当初は航空機エンジンを生産していた。自動車の生産は52年にスタート。2015年にプラグインハイブリッド車、21年にはBEVの生産をそれぞれ開始した。26年からはBEV専用プラットフォームを採用した次世代主力モデル「ノイエ・クラッセ」の生産を始める計画だ。
BMWは純BEV工場化に向け計6億5,000万ユーロを投資し、組み立て棟や車体生産施設など4ホールを設置する。用地を確保するため、構内にあったエンジン生産施設の操業を昨年10月で終了した。同施設に勤務していた社員1,200人の一部はすでに、グループ内の他の部署に異動した。そのほかの社員は配置換えに向けてリスキリングの研修を受けている。エンジン生産事業は英ハムズホール工場と墺シュタイル工場に移管された。