自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が12日に発表した2023年のグループ新車販売台数は前年比11.8%増の923万9,500台と大きく拡大した。販売増は4年ぶり。半導体不足の解消が進み、すべての地域、部門で前年実績を超えた。
販売台数を地域別でみると、足元の西欧は20.6%増の327万1,000台、中東欧は13.9%増の50万3,500台と2ケタ台の伸びを記録した。北米も17.9%増の99万3,100台と好調だった。南米は9.4%増の51万8,200台、中国を除くアジア太平洋は8.8%増の35万8,400台、中東・アフリカは28.6%増の35万9,300台。
国別の最大市場である中国は1.6%増えて323万6,100台となった。9月までは低迷していたが、第4四半期のラストスパートが奏功し、前年実績をかろうじて上回った。グループ販売に占める同国の割合は前年の38.5%から35.0%に低下している。
ブランド・グループ(部門)別でみると、大衆車(ブランド・グループ・コア)は10.9%増の666万2,200台に拡大した。VWブランド乗用車が6.7%増の486万6,800台、シュコダが18.5%増の86万6,800台、セアト/クプラが34.6%増の51万9,200台、VWブランド商用車が24.6%増の40万9,400台となっている。
高級車(ブランド・グループ・プログレッシブ)は17.1%増の191万8,900台で、主力のアウディは17.4%増の189万5,200台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツラグジュアリー)は3.3%増えて32万200台となった。
商用車(ブランド・グループ・トラックス)は10.7%増の33万8,200台となり、前年に引き続き2ケタ台の伸びを記録した。MANが37.1%増の11万5,700台と全体をけん引。スカニアは13.3%増の6万6,600台、ナビスターは8.5%増の8万8,900台だった。VWトラック&バスは31.3%減の3万7,100台と振るわなかった。
12月のグループ販売台数は93万4,300台で、前年同月を10.9%上回った。増加は11カ月連続。中国を除くアジア太平洋が0.8%減少した以外はすべて拡大した。
23年の電気自動車(BEV)販売台数は前年比34.7%増の77万1,100台に拡大した。自動車販売全体に占めるBEVの割合は前年の6.9%から8.3%へと伸びた。
販売台数が最も多かったのは欧州で、34.2%増の47万2,400台を記録。これに中国(23.2%増の19万1,800台)、米国(60.8%増の7万1,000台)が続いた。、その他の地域は75.3%増の3万5,800台だった。
ブランド別ではVWブランド乗用車が21.1%増の39万3,700台、アウディが51.0%増の17万8,400台、シュコダが52.1%増の8万1,700台、セアト/クプラが44.3%増の4万5,300台、VWブランド商用車が288.0%増の2万9,300台、ポルシェが16.7%増の4万600台となっている。ブランド・グループ・トラックスは20.4%増の2,100台だった。