自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンが従業員の大幅削減を検討しているもようだ。従業員代表の事業所委員会が取締役会のプレゼンテーション情報として17日に明らかにしたところによると、2028年までに1万人を整理。最終的には数年以内に1万2,000人以上を削減するという。広報担当者は、トランスミッションの生産に要する従業員数が電気自動車用のモーターでは半減すると述べ、電動車が増えると必要とする労働力が減ることを示唆したものの、従業員の削減数については明言を避けた。
同社は不採算を理由に、独西部のゲルゼンキルヘンにある操舵装置工場を24年末で閉鎖する。25年末にはアイトルフのショックアブソーバー工場も閉める計画だ。
事業所委によると、巨額の累積債務が人員削減の理由の1つになっている。ZFは米TRWとワブコを買収した結果、財務が悪化。110億ユーロ超の債務を抱える。金利の高騰で利払いコストが急速に増えていることから、従業員を減らし対応する考えという。
債務削減に向けてはエアバッグ事業の売却方針を22年秋に打ち出した。売却益は最大30億ユーロに達すると見込まれている。買収に関心を示す投資家は少なく、経営陣は新規株式公開(IPO)も視野に入れているもようだ。