スウェーデンのスタートアップ企業H2グリーン・スチール(H2GS)は22日、BNPパリバなど20以上の金融機関から計42億ユーロの協調融資を受けることで合意したと発表した。同国で計画する世界最大のグリーン製鉄工場の建設に投入する。自己資本なども含めると同プロジェクト向けに確保した資金は総額65億ユーロに達する。
H2GSは2020年の設立。従来品に比べ二酸化炭素(CO2)排出量が95%少ない鉄鋼を同国北部のノールボッテン県で生産することを計画している。還元剤に再生可能エネルギーベースのグリーン水素を用いることでCO2の大幅削減を実現する。25年末の生産開始を予定している。
まずは年250万トンを生産する。そのうち半分は5〜7年の契約で販売先がすでに確定している。30年までに生産能力を500万トンに拡大する考えだ。
同プロジェクトには融資資金のほか、自己資本21億ユーロと欧州連合(EU)イノベーション基金からの補助金2億5,000万ユーロが投じられる。自己資本はこれまで約18億ユーロだったが、同社は今回、新たな資金調達で約3億ユーロ上乗せしたことを明らかにした。