自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は29日、VWブランド乗用車のトーマス・ウ
ルブリヒ取締役(ニュー・モビリティ担当)をVWグループ中国開発事業の統括責任者
に任命すると発表した。開発の現地化を進め、同国での競争力を強化する方針に基づ
く措置。4月1日付で就任する。
VWは中国で需要が急増する電気自動車(BEV)の販売が振るわず、同国乗用車市場最
大手の地位を保てなくなる懸念が強まっている。これを受け、現地企業との協業を拡
大。顧客のニーズに見合ったBEVを共同開発し、巻き返しを図る意向だ。
ウルブリヒはソフトウエアの専門家。中国で管理職として2度、勤務した実績もあ
り、現地にネットワークを持つことから、白羽の矢が立てられた。魅力的でスマート
なBEVを迅速開発するために新設された現地子会社フォルクスワーゲン・チャイナ・
テクノロジー・カンパニー(VCTC)の最高経営責任者(CEO)を兼任する。