ドイツ銀が行員3500人削減、コスト目標達成に向け

独銀最大手のドイツ銀行は1日の決算発表で、2025年までに行員3,500人を削減する見
通しを明らかにした。収益力強化に向けた取り組みに伴う措置と説明している。
同行は23年4月、25年までのコスト削減幅を従来目標の年20億ユーロから25億ユーロ
に拡大する方針を打ち出した。23年末時点でそのうち9億ユーロを実現。残り16億
ユーロを達成するため、インフラや業務プロセスの改善、独販売網の統廃合を行う。
これらの措置に伴い人員削減が行われる。
今回の発表では経常収益目標も引き上げられた。22年と23年の実績が目標を大きく上
回ったためで、21〜25年の成長率を従来の年3.5〜4.5%から5.5〜6.5%へと上方修正
した。25年の経常収益は約320億ユーロに達する。
23年12月期決算の純利益は42億1,200万ユーロとなり、前期を16%下回った。税負担
の増加が響いた。税引き前利益は2%増の56億7,800万ユーロに拡大し、16年ぶりの高
水準に達した。
経常収益は288億7,900万ユーロで、前期を6%上回った。コーポレート・バンク
(CB)部門が22%増と好調で全体をけん引。リテール(PB)部門も5%増えた。投資
銀行(IB)部門と資産運用(AM)部門はともに9%減と振るわなかった。
貸倒引当金は景気低迷を受け、23%増の15億500万ユーロに膨らんだ。狭義の中核自
己資本比率(CET1比率)は12月末時点で13.7%となり、前年同日の13.4%を上回っ
た。

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