がん入院患者数が20年来の低水準に、死者に占める割合も3ポイント低下

がん治療のためにドイツ国内の病院に入院した患者数が2022年は140万人となり、
02年以降で最低となったことが、連邦統計局の発表で分かった。予防とアフターケ
ア、治療の改善が背景にある。入院患者総数が0.3%増えたなかで、がんの入院者
数は2%減った。
入院患者に占めるがん患者の割合は8%だった。循環器疾患(15%)、怪我・中
毒・その他の外因性の不具合(10%)、消化器系疾患(10%)に次いで4位に付け
る。
がん患者を年齢別でみると、最も多いのは60〜79歳で、54%を占めた。40〜59歳と
80歳以上はそれぞれ20%で、40歳未満は5%にとどまった。
がんの種類では肺がん・気管支がんが12%で最も多く、これに腸がん(10%)、乳
がん(9%)、皮膚がん(8%)、膀胱がん(7%)が続いた。肺がん・気管支がん
は患者の減少幅が最も大きく4%に上った。増加したのは皮膚がん(+3%)だけ
だった。
がんで死亡した人は23万1,500人で、02年(21万人)に比べ増加した。社会の高齢
化が進み、がんに罹患しやすい年齢層が増えたことが背景にある。死者に占めるが
ん患者の割合は22%で、02年の25%から3ポイント低下した。
がんは死因順位が2位だった。1位は循環器疾患で34%に上る。ただ、40〜74歳では
がんが最大の死因(35%)となっている。
がんで死亡するのは男性が多く、全体の54%を占めた。
死者数が最も多いがんは肺がん・気管支がんで4万5,200人に上った。全体の20%を
占める。2位は腸がんで2万4,300人、3位はすい臓がんで1万9,200人、4位は乳がん
で1万9,100人、5位は前立腺がんで1万5,600人だった。

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