家電の故障、大半の消費者は修理よりも買い替え

ドイツの消費者の過半数は家電が故障した場合、修理するよりも新製品を購入して
いることが、独電気電子工業会(ZVEI)が2日に発表した消費者アンケート調査結
果で分かった。ZVEIは消費者に「修理する権利」を保障する法案で欧州連合(EU)
加盟国と欧州議会の代表が合意したことを受け、同結果を公開した。
それによると、過去1年以内に白物家電が壊れた人のうち修理せずに新製品を購入
した人の割合は75%に達した。娯楽家電でも同割合が全体の3分の2を占める。
その理由として最も回答が多かったのは「新製品が欲しいため」で、33%に上っ
た。これに「買い換えた方が安く済むため」(30%)、「修理には時間がかかる」
(25%弱)、「技術的に修理が不可能だったため」(16%)が続いた。修理できる
かどうかを調べなかった人は27%に上った。
ZVEIの消費者部門統括責任者は、「消費者はしばしば、故障した機器の修理を検討
するよりも、故障を新モデル購入の機会として利用している。特に小型白物家電と
娯楽家電では修理という選択肢が目に見えて検討されない」と指摘。修理を増やす
ためには製品を修理しやすくするとともに、政府キャンペーンなどの広報活動や、
修理のインセンティブを高めることが必要だと強調した。
1年以内に家電の修理を行った人は20%にとどまった。そのうち50%強は販売店・
製造元の顧客サービスを利用した。大型白物家電では同割合が約60%と高い。2位
は独立系の修理事業者で33%弱、3位はリペア・カフェ(修理イベント)で29%
だった。自ら修理した人は12%、知人に修理を頼んだ人は4%となっている。
アンケートは昨年12月、ドイツ国内の18〜74歳(計1,013人)を対象にオンライン
方式で実施された。

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