高級白物家電大手の独ミーレは6日、コスト削減プログラムを発表した。材料、エネ
ルギーコスト、人件費が大幅に上昇したことを受けた措置で、2026年までに財務の余
地を年5億ユーロ拡大するとしている。これに伴い世界の従業員(2万3,000人強)の1
割強に当たる最大2,700人を削減する意向だ。
コロナ禍発時は家電の特需で業績が拡大し、22年には売上高が過去最高の54億ユーロ
に達した。だが、23年は需要が鈍り、価格競争が激化。売上高は9%落ち込んだ。特
に家庭用洗濯機・乾燥機分野で圧迫を受けている。
経営陣はこうした事情を受けてコスト削減方針を決定した。ギュータースロー本社工
場では洗濯機製造事業の一部をポーランド中部のクサベルフ工場に移管。27年までに
従業員700人を削減する。
人員削減は早期退職プログラムや高齢労働者パートタイム制度を通して進める。これ
らの措置で削減目標を実現できない場合は、経営上の理由による整理に踏み切る。
米国の消費者のニーズに見合った製品を生産するために工場をアラバマ州に建設する
計画は堅持する。