「ニーズに見合った低価格BEVを」、ボッシュが車メーカーに要求

自動車部品大手の独ボッシュが低価格の電気自動車(BEV)を市場投入するよう欧州
の完成車メーカーに要求している。同地のBEV価格は依然として高く、手の届かない
消費者が多いためだ。自動車部品事業を統括するマルクス・ハイン氏は6日にシュ
ツットガルトで開催されたイベントで、「我々は人々のニーズを満たす電気自動車を
構想しなければならない」と発言。車メーカーに再考を促した。『フランクフル
ター・アルゲマイネ』紙が7日付で報じた。
背景にはBEVの販売台数が少ないため、サプライヤーが販売する部品も少なくなり、
利益を稼げないという問題がある。ハイン氏は、中国ではモーター、電動アクスルの
販売数が多いため同社は利益を上げていると明言した。
シュテファン・ハルトゥング社長はこれを補う形で、「中国の顧客(自動車メー
カー)は電動駆動装置ソリューションで標準化を推し進めており、そこからスケール
効果が生まれている。我々は欧州でこれ(標準化によるスケール効果)を省いてはな
らない」と述べた。
ボッシュが7日に公表した2023年の売上高は前年比4%増の916億ユーロに拡大した。
コロナ禍特需の反動で白物家電需要が縮小したことから、消費者向け事業は7%減と
振るわなかったものの、その他の事業は増収を確保。主力の自動車部品は7%増えて
563億ユーロとなった。
営業利益は46億ユーロで、前年の38億ユーロから21%増加。売上高営業利益率は0.7
ポイント増の5.0%に拡大した。目標の7.0%を大きく下回っているものの、マルク
ス・フォルシュナー氏(財務担当)は、先行投資と景気の低迷を踏まえれば妥当な水
準だと指摘。早ければ今後2〜3年で7%目標を達成できるとの見方を示した。

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