ドイツのオーラフ・ショルツ首相が4月15〜16日に中国を訪問する。訪中は対中依存
の低減を盛り込んだ中国戦略の策定後初めて。経済界の代表が随伴することから、両
国企業間の契約調印が行われるとみられる。独経済界アジア太平洋委員会(APA)宛
ての政府文書をもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が7日、報じた。
ショルツ氏は4月14日夜、空軍機でドイツを飛び立ち、中国に向かう。経済界の随員
はAPAが作成するリストを踏まえ首相府が決定する。
ショルツ首相の訪中は2度目となる。前回は中国戦略策定前の2022年11月に訪問し、
共産党の習近平総書記(国家主席)、李克強首相(当時)と会談した。
ドイツ政府は23年7月に採択した同国初の中国戦略で、体制上の競合としての色合い
を強める中国へのサプライチェーン、販売面での依存を引き下げる重要性を強調し
た。ただ、中国経済のデカップリング(分断)はドイツ経済に好ましくないことも分
かっており、利益とリスクを天秤にかけながら関係を維持する考えだ。
中国は不動産危機や消費の低迷など経済不振にあえいでいる。西側諸国との関係を改
善したという思惑は強く、ドイツやフランスなど一部の国に対しては短期滞在ビザの
取得義務を免除した。
エネルギー価格の高止まりや高インフレを受けて景気が冷え込んでいるのはドイツも
同じ。最大の貿易相手国である中国経済の悪化はマイナス材料となる。