中国は8年連続でドイツ最大の貿易相手国となったことが、連邦統計局が14日に発表
した2023年貿易統計で分かった。ただ、対中貿易高(輸出高と輸入高の合計)は
15.5%減の2,531億ユーロと大幅に後退。2位米国との差は前年の501億ユーロから7億
ユーロへと縮小した。独中両国の経済低迷のほか、リスク低減に取り組むドイツ企業
の調達先多様化が反映されているもようだ。
米国との貿易高は2,523億ユーロとなり、1.1%増加した。3位はオランダで、5.5%減
の2,148億ユーロだった。
最大の輸入先国は中国で、1,557億ユーロに上った。前年に比べると19.2%少ない。
対中輸出高は8.8%減の973億ユーロで、貿易赤字は過去最高となった前年の861億
ユーロから584億ユーロへと大幅に縮小した。ただ、1950年の統計開始後で2番目に高
い水準となっている。
輸入先国2位はオランダ(1,033億ユーロ)、3位は米国(944億ユーロ)だった。
最大の輸出先国は米国で、前年比1.1%増の1,579億ユーロに拡大した。同国からの輸
入高も1.1%増えて944億ユーロとなっており、貿易黒字は前年の629億ユーロから635
億ユーロへとやや拡大した。
輸出先2位はフランス(1.2%減の1,168億ユーロ)、3位はオランダ(0.7%減の1,115
億ユーロ)だった。
輸出高が最も大きい製品分野はこれまで同様、自動車・自動車部品で8.9%増の2,682
億ユーロに拡大した。2位は機械で5.5%増の2,231億ユーロ。3位の化学はエネルギー
価格の高騰と世界経済の低迷が響き14.5%減の1,407億ユーロと大きく落ち込んだ。
自動車・自動車部品は輸入額も最大で、1,485億ユーロ(12.1%増)に上った。これ
にデータ処理装置/電子・光学製品が5.5%減の1,425億ユーロ、電気装置が5.5%増
の1,098億ユーロで続いた。
製品分野別の貿易黒字では自動車・自動車部品が1,196億ユーロ(前年1,138億ユー
ロ)で1位だった。2位は機械で1,184億ユーロ(同1,058億ユーロ)、3位は医薬品で
388億ユーロ(384億ユーロ)となっている。
ドイツ全体の製品輸出高は1兆5,624億ユーロで、前年を2.0%下回った。輸入高は10.
1%減の1兆3,528億ユーロで、貿易黒字は前年の886億ユーロから2.4倍の2,096億ユー
ロへと拡大した。比較対象の22年はエネルギー価格の高騰で輸入高が大きく膨らんで
おり、23年はその反動で貿易黒字が押し上げられた。