ドイツ政府は21日、2024年の国内総生産(GDP)成長率が実質0.2%になるとの予測
を発表した。前年の同マイナス0.3%から改善するものの、昨年秋に提示した1.3%
からは大幅な下方修正となっている。ロベルト・ハーベック経済・気候相は記者会
見で、世界経済の低迷、金利上昇を受けた企業投資の抑制、GX・DX促進に向けた予
算に対する昨年11月の違憲判決が響いていると指摘。「危機からの回復のスピード
は我々が望んでいたよりも鈍い」と述べた。
ハーベック氏はまた、構造問題も経済の大きな足かせになっていると述べ、産業立
地競争力を高めるためには改革の強化が必要だとの認識を示した。最大の問題とし
て少子高齢化の進展に伴う労働力不足を指摘。人材を確保するためには、女性が働
きやすい環境の整備や高齢者の就労意欲を高める措置、労働市場への難民統合の改
善が必要だと強調した。
政府によると、24年の成長率を強く押し下げるのは建設投資で、2.2%減少する。
在庫調整もGDP成長率への寄与度がマイナス0.3ポイントと大きな足かせ要因とな
る。個人消費は前年のマイナス0.8%からプラス1.1%に改善する。
輸出と輸入は増加幅がそれぞれ0.6%、0.8%と小さい。GDP成長率への外需(輸出
−輸入)の寄与度はプラスマイナス0ポイントとなり、成長に寄与しない。
インフレ率に関しては2.8%を予想している。前年の5.9%からは大幅に低下するも
のの、水準自体は依然として高い。